
出張着物買取を利用
私自身。着物はそう多くは持っていませんでした。
母の形見として貰ったもの3枚ほど、それに独身の時に数枚仕立てたものなどがあるだけでした。
そんなものですので“着物の買取などとは縁がないな”と思いながら広告などを見ていたものです。
そんな私がある日を境に着物の枚数が突然増えてしまいました。
今までは枚数が少ないので、桐の着物入れに入れて保管していたのですが、とてもその着物入れのケースに入らなくなってしまったのです。
それは主人の叔母が亡くなった時に、遺品整理をする羽目になったからです。
叔母は生涯独身で過ごし、公務員として働いていたので、定年退職後は自由気ままに過ごしており、趣味で着物をかなりの枚数買っていました。
おそらく着物の他に使う事がなかったのでしょうね。
私も叔母が生前その趣味で集めた着物を見せてもらった事がありました。
それは3竿はゆうに越す箪笥にぎっしりと詰めて入っていました。
まさかその着物の整理を私がする事になろうとは思ってもみませんでした。
独身で身内は私しかいないので、それは仕方のない事でした。
とりあえず着物と帯、他の小物などを家へ持ち帰り、広告で見た出張着物買取の所へ電話を入れ家へ来てもらいました。
業者が来る前日に座敷に着物、帯などを全部出し、売るものと残しておくものとに分けてみました。
ただ私も着物の知識がある訳ではありませんので、どれが高めで価値があるのかが分からず、もう自分の勘で整理しました。
買取として分けた着物の枚数は全部で20枚は軽くありました。
私は密かにこれはかなりの金額になるなと思っていたのですが、私の当ては面白いほど外れてしまいました。
買取の人はとりあえず一枚ずつ見ていましたが、最終的に金額を言われた時はほんとがっくりしてしまいました。
その20枚の内生前叔母から聞いた着物の価格は、高いもので50万円はしたといったものや30万円はしたと言ってたものが入っていたからです。
それなのに買取の人が言った金額は20枚全部で15000円でした。
家族で食事に行ったら終わってしまう金額です。
売るというのはそんなものなんです。
どれだけ高い着物でも価値はないのがほとんどの事のようです。
やはり着物集めは道楽なんですね。