
着物よりも洋服のほうが好きです
祖母が私のためにと言って何枚もの着物を届けてくれます。でも私は正直なところ、着物よりも洋服のほうが好きなのです。だから一回も袖を通した事のない着物だってあります。祖母には悪いと思いますが、着物は嫌いだという事は祖母も知っているはずなのです。
私は毎月のように増えていく着物が邪魔で仕方がなくなっていたのです。でも祖母にはこれ以上必要ないと言えません。わかっていると思うので言えないのです。何度もしつこいと思われるでしょう。
でも本当に着ないのです。邪魔なだけなのです。
私は考えました。こっそりと買取ってもらおうと。私の住む街には着物専門の買取店があります。だからそこへ持って行こうと思いました。祖母には悪いですが、それが一番良い方法だと思うのです。
着ないものをこのままタンスの肥やしにしておくわけにもいきません。誰か着てくれる人に買ってもらったほうがいいのです。祖母はめったに我が家に来る事はありません。足を悪くしているので田舎から出る事はないのです。だからいいと思うのです。
数えてみたら結構ありました。結婚してから毎月のように届いているのですから、これだけ多くてもおかしくはありません。どれも綺麗なものばかりです。どれも着物好きだったら気に入ってくれるものばかりだと思います。
早速査定をしてもらう事にしました。とても重くて持って行くのも大変でしたが、一回で買取ってもらいたいと思ったのです。とても上品な店員が早速査定をしてくれました。どれもよい着物ばかりだと褒めてくれました。とても嬉しかったです。
祖母はとてもセンスのある人です。祖母がどれも私に似合うと思った着物ばかりなのでしょう。でも私が着ない事はとても申し訳ない事だと思いました。タンスで眠っているより、この方がいいのです。それは着物にも、祖母にも悪いと思うから。だから思い切って買取ってもらいました。